どっちから物事を見るか、、、、、

1. 正反対になる世界:熊とコロナが教える視点の衝突

ニュースで連日報じられる熊の被害について、皆さんも心を痛めているのではないでしょうか。
人間社会の安全という視点から見ると、人間に危害を加える熊は、動物園などの限定された場所以外では「必要ない」と感じ、「駆除すべきだ」という意見が頭をよぎるのではないでしょうか?

しかし、視点を熊側からに変えてみるとどうでしょう。熊たちは、人間に対して意図的に危害を加えようとして生活しているわけではなく、彼らの「世界」で、何らかの理由があって生息しているのです。
人間側から見れば「害」であっても、動物側から見れば、彼らの存在自体が人間の行動によって脅かされているのかもしれません。物事は、「どっから見るかで見え方が全く違ってくる」のです。

この「視点の衝突」は、私たち全員が経験したコロナ禍での出来事でも感じられます。
私たちは皆、自粛し、マスクをし、過度に感染対策に取り組みました。
しかし、今振り返ると、「あれほど厳格な自粛や対策は本当に必要だったのか?」という疑問が湧くことがあります。

時間さえ経てば集団免疫などで落ち着いていたのかもしれない。当時は最善と思われた行動が、結果的に多くのホテルや飲食店を潰し、経営者に大きな後悔をもたらしました。
未来は誰にも見えません。
だからこそ、その時々で「それがベスト」だと信じて決断するしかありません。

しかし、もし「もう少し我慢しておけば、今の観光客で賑わう状況(リバウンド)を享受できたのに」と後悔する気持ちが出るのも、また人間の正直な感情ではないでしょうか?
このパンデミック対応一つをとっても、決断の是非は時間と結果が経たなければ判断できないものです。

2. ヒーローと悪役:真実は見る者によって変わる

なぜ、一つの出来事に対して、正反対の意見が生まれてしまうのでしょうか。それは、私たち人間が、自分の置かれた立場のフィルターを通してしか現実を見られないからです。

例えば、桃太郎の物語を考えてみましょう。鬼ヶ島を平定する桃太郎は、人間にとってはヒーローです。
しかし、鬼の側から見れば、桃太郎はまとまっていた鬼ヶ島を荒らしに来た「悪者」になってしまいます。
また、日本の歴史においても、織田信長から見た世界と、明智光秀から見た世界では、見え方は全く異なります。

この視点の相対性を最もよく示すのが、「盲人と象」の逸話です。
インドで目の見えない人たちが象を触り、象がどんな動物か話し合った時、鼻を触った人は「長いヘビのようなものだ」と言い、尻尾を触った人は「短いヒモのようなものだ」と言いました。耳を触った人は「大きな団扇のようなものだ」と表現しました。

目が見える人からすれば、彼らが言っていることはすべて象の一部分について述べており、すべて当たっています。
しかし、目が見えない人たちにとっては、自分が担当したパーツ、つまり「自分の視点」からしか物事を見ることができないため、互いの主張が食い違い、争いになってしまうのです。

私たちは日々、無意識にこの「盲人」と同じ状態に陥っています。
政治的な決断においても、例えば高市氏などの特定の政治家が「日本のために」と断固たる決断をすると、一部の経営者は熱狂的に喜ぶ一方で、その政策に反対したり反発したりする人々も必ず一定数現れます。
これは、見る者の立場(組織、国、個人)によって、何が「正解」かが異なるからです。

3. 後悔を減らす「決断の基準」

物事には絶対的な正解はないのかもしれません。
では、私たちは日々の仕事やプライベートの決断を、どのような基準で行えば、後で「あの時、あっちを選べばよかった」という後悔の念を減らすことができるのでしょうか。

決断の多くは、宝くじのように「当たりか外れか」のように、100%、丸かバツかで分けられるものではありません。どちらの道を選んでも、良い点と悪い点が混在しています。
後悔を減らす鍵は、「誰のための決断だったのか?」という動機にあります。

もし、あなたがその決断を「自分中心」、つまり利己的に行った結果、うまくいかなかった場合、時間が経った時に「損だった」と感じ、もう一方の選択肢を選ばなかったことを強く後悔します。

しかし、もしその決断が「自分以外の誰かのため」、例えば患者さんのため、組織のため、あるいは国のためという「外向きの基準」に基づいて選ばれたものであれば、たとえ結果的にうまく行かなかったとしても、自分自身に「言い訳」ができる余地が生まれます。

これは自己正当化ではありません。「自分は間違っていなかった」と信じられるのではなく、「最善の意図を持って行動した」という確信が、後悔の量を減らしてくれるように思います。
毎日、私たちは決断をしなければなりません。

その決断に迷った時、少しだけ立ち止まって考えてみてください。
「これは、誰の視点に立って、誰のために下した結論だろうか?」
その問いが、あなたの未来の後悔を減らし、より充実した日々を送るための羅針盤となるはずです。

 

▼他の記事一覧はこちら

-院長青山健一のブログ「幸せってなぁに?」

© 2025 抜かない矯正 銀座青山You矯正歯科グループ

無料矯正相談Web予約 矯正精密検査Web予約 ホワイトニングWeb予約 メールでのお問い合わせ