見たいものしか見えない

以前、東京南青山のクリニックの前の国道の端に、フェラーリなどの高級車が何台もずらっと並んでいました。
その国道の横を通ってクリニックに入っていくのですが、クリニックの階に上がるエレベーターでスタッフと会って、スタッフから「さっきの車は凄かったですね!!!!」と言われたのですが、私には言っている意味が分かりませんでした。
車道のわき道に高級車がずらっと並んでいることにさえ私は気づいていませんでした。
私は車に興味がないので、高級車が並んでいる景色が記憶にとどまらなかったのです。

同じような話として「今日は満月綺麗だね!!!!」と言われても、私は「花より団子」タイプの人間なので、自分から満月がきれいだと気づいたことがないのです。
妊娠したスタッフが必ず言う言葉として、「世の中に妊婦がこんなに多いとは思わなかった!!」という言葉です。
世の中の妊婦の数は変わっていなくても、自分が妊娠すると妊婦を意識して見てしまうのが人間なんだと思います。

最近実感することとして、「徹子の部屋」という黒柳徹子さんの番組がありますが、この番組は50年近くも続いていますが、自分が若かったときは「何でこの番組はこんなに続いているのだろうか?!」「昼間っからこの番組を見る人がそんなにいるものか!?」などこの番組の存在の意味がよくわかりませんでした。
しかし、自分がもうすぐ還暦が近い年齢になってきた時に、70歳から90歳近い方や自分が若かったときに活躍されていたような人が出演すると、懐かしさや今後の人生の先輩として、そういう人の話はとても参考になり、今では私にとっての一番楽しみなトーク番組の1つになっています。
先ほどの妊娠したスタッフと同じように、自分が年齢を重ねていくと、若い時には意識しなかったことに意識がむいて、それまで感じられなかった「意味と価値」に気づくんだと再認識しました。

「ただ目に入って見るのと意識して見るのでは、自分の中に吸収されるものが全然違う」ということをスタッフに教示として「lookとwatchは違うんだ!!」ということをよく述べていますが、実際にlookとwatchの違いを調べたら下記のようになっていて、更に比較としてseeも出てきました。
Look「意識的に対象物(主に静止物)へ目線を向ける」
Watch「意識的に動いているものに変化がないかをじっと見る」
See「自然と視覚に何かが映る」
私がスタッフに言いたかったのは「lookとwatchの違い」ではなくて、意識して見るか意識しないで見るかということだったので、「lookやwatch」と「see」の違いだったように思います。(汗)

好きなものは意識しているので、自然に目に飛び込んできますが、好きでないもの(意識していないもの)は、実際には目で見ていても脳には記憶として残らないです。

ニュートンが、リンゴが落ちるのを見て万有引力を発見したというのは、ニュートンにとってのリンゴの落下はwatchだったけど、殆どの人にとってはリンゴの落下は単にseeでしかなかったのでしょう。

人間は同じ環境で同じように生活していても、好きなもの、意識しているものしか目に入らない(記憶に残らない)以上は、日々何を意識して生きているかで人生は大きく違ってくるのだろうと感じます。
Seeに流されないで、少しでもlookやwatchで物事を見ていきたいと思いました。

 

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