損得勘定の是非

人間は「損得勘定」というものをインプットされて生まれてきているように思います。
もっと言うと損をしたくない生き物だと思います。

私の著書に「知らなきゃ損する歯の矯正のお話」という題名の本があります。
この本の題名を考えるときに「知って得する歯の矯正のお話」にするか「知らなきゃ損する歯の矯正のお話」にするか悩んだ末に、今の「知らなきゃ損する歯の矯正のお話」という題名になりました。
当時はそこまで深くは考えなかったのですが、「知って得する」と「知らなきゃ損する」では、同じように聞こえても、受け取り手の感じ方には雲泥の差があることに後で気が付きました。
といいますのも、行動心理学的には、「損失回避の法則」というものがあって、人は無意識に、得することよりも損することを避けようとするらしいので、「知って得する」よりも「知らなきゃ損する」の方が行動にうつしやすいらしいのです。

人間は損をしたくない生き物であるからこそ、「先に何かしてくれたら自分もお返しをする」ということには抵抗がない人も、自分から先に何かをしてあげても見返りがなかったら損をする可能性があるということで、先に与えることに抵抗が生じるのだと思います。

Give&Takeという言葉がありますが、先にGiveする人は損をするリスクが発生するので、ほとんどの人は先にTakeを求めてしまうのだと思います。
俗にいう「クレクレ星人」です。
あれしてくれない、これしてくれない、と相手に何かをしてもらうことばかりを求めて、自分からGiveすることを考えない人のことです。
リスクとリターンはセットになります。
ハイリスクハイリターンかローリスクローリターンか………
リスク=損、リターン=得と考えれば、損をしたくないのが人間の習性だとすると、先にGiveをするということは、損をするリスクが高くなるので、先にGiveできる人はハイリスクハイリターンになるのだと思います。
多くの人はTakeばかり考えるので、ローリスクローリターンでリターンも小さくなってしまうのだと思います。

「他人から何かをしてもらったら何かを返す」は当たり前の行動です。
ラーメン食べたらラーメン代を払うのは当たり前です。
仕事をしたら給与をもらうのは当たり前、働いてもらったら給与を払うのは当たり前です。
当たり前のことをして、リターンだけたくさん欲しがっても、世の中はそうならないのです。

世の中の法則として、ハイリターンを求めるのであれば、先にGiveしていくしかないのです。
Giveしても損することを覚悟して、リスクを取ってGive できる人だけがハイリターンを期待できるのです。

Takeは意識しなくてもできますが、Giveは意識しないとできない行為です。
無意識で生きているとTakeばかりが気になります。
しかし、人生を変えてくれるのは、どこまでGiveのリスクをとれるかのような気がします。

仕事においてもプライベートにおいても他人から評価されている人というのは、一見すると損に見えるようなことを自らしている人のような気がします。
「損して得取れ」という言葉がありますが、人生経験を積むにつれて、損するリスクを取れる人だけが、最終的には得するようになっているような気がします。

 

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