矯正で老け顔になる人の特徴は?抜歯・口元の変化を歯科医が解説

【監修:銀座青山You矯正歯科 紙屋町院院長】

矯正で老け顔になる人の特徴は?抜歯・口元の変化を歯科医が解説

「歯列矯正をしたら老けた」という話をSNSなどで見て、不安になっている方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、歯列矯正をすれば老け顔になるわけではありません。
ただし、前歯や口元を大きく後ろへ下げる治療では、唇や口元の印象が変化します。もともとの顔立ちや年齢、体重変化などが重なると、「以前より頬がこけた」「口元が寂しくなった」と本人が感じる可能性があります。

そのため矯正治療では、歯並びだけでなく、横顔・正面顔・唇のボリュームまで含めて治療計画を考えることが大切です。

「抜歯すると老けるの?」
「ほうれい線が深くならない?」
「口ゴボを下げたいけれど、下げすぎるのも怖い」

このような疑問がある方に向けて、銀座青山YOU矯正歯科の考え方も交えながら解説します。

「矯正をすると老けるの?」「抜歯すると頬がこける?」と不安な方へ。文章より動画で詳しく知りたい方は、銀座青山YOU矯正歯科・青山院長が顔貌変化と治療計画の考え方を解説したこちらの動画をご覧ください。

矯正をすると本当に老け顔になる?

矯正治療そのものが顔を老化させる、という医学的な根拠はありません。
一方で、矯正によって前歯や唇の位置が変わるため、治療前後で「顔の印象」が変化することはあります。

特に大きく変わりやすいのが口元です。
前歯が後方へ移動すると、それに伴って唇も後方へ変化する傾向があります。抜歯矯正と非抜歯矯正を比較した研究でも、抜歯を伴う治療では平均的に上下唇が後退する傾向が報告されています。

ただし、「唇が下がる=老ける」ではありません。
口元が大きく突出している人では、適度に前歯と唇が下がることで横顔が整い、むしろすっきりとした印象になることもあります。

問題になるのは、その人にとって適切な位置を超えて口元を下げすぎてしまうケースです。
結論から言いますと、矯正で老け顔になるとは限りません。前歯を後方へ動かすことで唇や口元の印象は変化しますが、それが若々しく見えるか老けて見えるかは、もともとの顔立ちや移動量によって異なります。

なぜ矯正後に「老けた」「顔が変わった」と感じるの?

矯正後に老けたと感じる原因は一つではありません。
主に次のような変化が関係すると考えられます。

  • 前歯とともに唇が後退した
  • 口元のふくらみが減った
  • 頬や口周りの印象が変化した
  • 矯正中に体重が減った
  • 治療期間中に自然な加齢変化が起きた
  • 横顔は改善しても、本人が正面顔の変化を好まなかった

特に注意したいのは、矯正治療は通常ある程度の期間が必要なため、治療前と治療後では自然な年齢変化も同時に起こっているという点です。

矯正治療を受けていない人でも、成人以降は唇や鼻、顔の高さなどの軟組織・骨格に年齢による変化が起こることが知られています。
したがって、治療後に感じたすべての顔の変化を「矯正だけが原因」と判断することはできません。

矯正で頬こけやほうれい線が目立つことはある?

矯正後に頬やほうれい線周辺の印象が変化する可能性はありますが、誰にでも起こる現象ではありません。
成人女性を対象とした3次元画像研究では、抜歯・非抜歯の両方で頬周辺の軟組織変化が認められた研究があります。また別の研究では、抜歯自体は顔面軟組織変化の主要因ではないとされています。

つまり、「抜歯をすると必ず頬がこける」「非抜歯なら顔は変わらない」と単純に分けることはできません。
もともとの顔型、前歯を動かす量、噛み合わせ、体重変化など複数の要因を考える必要があります。

ほうれい線についても、小規模な3次元研究では矯正後の変化が報告されていますが、研究結果だけから「矯正によってほうれい線が深くなる」と一般化することはできません。

矯正で老けたと感じやすい人の5つの特徴

矯正で老けたと感じやすい人の5つの特徴

「この条件なら必ず老ける」という特徴はありません。
しかし、治療前に顔貌の変化をより慎重に検討したい人はいます。

1.もともと顔や頬が細い人

もともと頬のボリュームが少ない人の場合、口元のふくらみがさらに減ると、本人が「少し寂しい顔になった」と感じることがあります。
特に歯並びだけでなく顔貌改善も目的としている場合は、正面から見た印象も確認して治療計画を立てることが望まれます。

2.口元の突出がそれほど強くない人

口ゴボを改善したいからといって、前歯は下げれば下げるほどよいわけではありません。
もともと口元がそれほど突出していない人で前歯を大きく後退させると、患者さんが希望していた

3.前歯を大きく後ろへ動かす治療計画の人

歯を抜くことそのものよりも、「抜歯によって作ったスペースをどのように使い、前歯をどこまで動かすのか」が顔貌変化を考えるうえで重要です。
歯の頭(歯冠)だけを傾けるのではなく、歯根を含めて大きく後方へ動かす治療では、口元への影響も慎重に評価する必要があります。

4.成人で顔貌の変化が気になっている人

「30歳を超えると矯正で老ける」という明確な年齢の境界線があるわけではありません。
ただし、顔の軟組織は成人後も少しずつ変化します。年齢を重ねてから矯正を始める場合は、歯の位置だけでなく、治療後の唇や顔貌について相談しておくと安心です。

5.矯正中に体重が大きく減った人

矯正装置を装着した直後などは食事がしにくくなり、一時的に食事量が減る方もいます。
体重や体脂肪が減れば頬のボリュームも変わるため、それを「矯正で頬がこけた」と感じる可能性があります。顔の変化を評価する際には、矯正治療以外の変化も一緒に考える必要があります。

抜歯矯正をすると老け顔になりやすい?

「抜歯矯正=老け顔」という考え方は正確ではありません。
研究では、第一小臼歯を抜歯する矯正では、非抜歯治療と比較して上下唇が後退する傾向があります。
一方、2024年の系統的レビューでは、抜歯群と非抜歯群で治療後の「笑顔の審美性」に明確な差は確認されませんでした。

つまり問題は、「抜歯か非抜歯か」だけではなく、「なぜ抜歯するのか」「そのスペースを使って前歯をどこまで動かすのか」です。
逆に、口元の突出が強く、前歯を適切に後退させた方がバランスが良くなる患者さんでは、抜歯矯正が有力な選択肢になることもあります。

YOU矯正歯科の見解

銀座青山YOU矯正歯科では、抜歯治療そのものを否定しているわけではありません。
非抜歯で治療できる可能性がある場合にはできるだけ歯を残す方法を検討しますが、顔貌・歯の位置・顎の骨の条件・噛み合わせまで考えた結果、抜歯が適切な症例もあります。

大切なのは「抜く・抜かない」を最初に決めることではなく、その患者さんにとってどちらがより適しているかを診断することです。

口元の図解

矯正治療で顔がどのように変わるかは、「抜歯か非抜歯か」だけでは判断できません。現在の歯並び、前歯の角度、口元、顎の骨、噛み合わせなどを確認して初めて治療方針を検討できます。「歯並びは治したいけれど、口元を下げすぎたくない」という方は、治療を決める前に一度診断を受け、自分にはどの方法が適しているのか確認してみてください。

抜歯か非抜歯かについて詳しく知りたい方は、「抜歯矯正と非抜歯矯正、本当に難しいのはどっち?」をご覧ください。

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Eラインをきれいにすれば横顔は必ず美しくなる?

Eラインは横顔を評価する一つの参考指標ですが、Eラインだけで矯正治療のゴールを決めるべきではありません。
Eラインとは、横顔で鼻先と顎先を結んだ線のことです。

「唇がEラインの内側に入れば美人」という説明を見かけることがありますが、顔の美しさはそれほど単純ではありません。
鼻の高さ、顎の位置、唇の厚さ、年齢、性別、本人の好みなどによって、魅力的と感じる横顔は変わります。実際にEラインに対する審美評価にも個人差が報告されています。

横顔の数値を整えることだけを優先して前歯を大きく後退させれば、患者さん自身が正面顔を気に入らない可能性もあります。
横顔だけを100点にするのではなく、正面・横顔・笑顔を含めてバランスを考える。
これがYOU矯正歯科で大切にしている考え方です。

Eラインの図解

老け顔を防ぐために治療前に確認したい4つのこと

矯正後の顔貌変化が心配な方は、契約前に次の点を確認してみてください。

①「私の前歯はどのくらい後ろに動く予定ですか?」

抜歯するかどうかだけではなく、最終的な前歯の位置を確認します。

②「口元や唇はどのように変わると予測しますか?」

歯並びだけでなく、治療後の横顔について説明を受けましょう。
ただし、軟組織の変化をミリ単位で完全に予測することは難しいため、「必ずこの顔になる」という説明には注意が必要です。

③「なぜ抜歯が必要なのですか?」

単に「ガタガタだから」という説明だけでなく、歯を並べるスペース、前歯の角度、口元の突出、顎の骨の範囲、噛み合わせ、などを総合して説明してもらうと、治療方針を理解しやすくなります。

「非抜歯という選択肢はありますか?」

非抜歯を希望しているのであれば、その希望を最初に伝えて構いません。そのうえで、「非抜歯で行った場合のメリットとデメリット」「抜歯した場合との違い」を比較してもらうことをおすすめします。

矯正前の3つの質問の図解

YOU矯正歯科が考える「老けない矯正」とは

老けない矯正とは、単純に歯を抜かない矯正でも、前歯を下げない矯正でもありません。
患者さんの顔立ちに対して、前歯と口元を「適切な位置」に設定することだと考えています。

口元の突出が強い人なら、適切に前歯を後退させた方が顔全体がすっきりする場合があります。
反対に、もともと口元の突出が少ない人では、必要以上に後退させない方が自然な顔貌を保ちやすいことがあります。

矯正治療のゴールは、「歯をできるだけ後ろへ下げること」ではありません。

「患者さんから『もっと口元を下げたい』という希望をいただくことがあります。しかし、横顔だけを見て下げすぎると、正面から見た印象とのバランスが崩れる可能性があります。
そのため当院では、横顔の数値だけで治療目標を決めないようにしています。」

歯並び、噛み合わせ、横顔、正面顔、そして患者さん本人がどのような顔貌を希望しているのか。
そこまで含めて治療計画を考えることが、矯正後の後悔を減らすためには欠かせません。

矯正後の後悔を減らすためには、「矯正で後悔しないために|契約前に確認すべき3つのポイント」をご覧ください。

この記事の要点

この記事の要点

  • 歯列矯正をすると必ず老け顔になるわけではない
  • 抜歯矯正では唇が後退する傾向があるが、「抜歯=老ける」とは言えない
  • 顔貌への影響は前歯の移動量、元の顔立ち、年齢、体重変化などによって異なる
  • Eラインだけを基準に前歯を下げるのではなく、正面・横顔・笑顔を総合的に考える
  • 後悔を減らすには、治療前に「前歯をどこまで動かすのか」を確認する

FAQ|矯正で老け顔になることについてよくある質問

Q. 歯列矯正をすると老け顔になりますか?

A. 結論からいうと、矯正をしたからといって老け顔になるわけではありません。前歯の移動に伴って唇や口元の印象が変化することはあります。もともとの顔貌、治療による移動量、年齢変化、体重変化などを含めて判断する必要があります。

Q. 抜歯矯正をすると必ず老けますか?

A. 抜歯矯正をすると必ず老けるという根拠はありません。抜歯治療では平均的に唇が後退する傾向がありますが、それが審美的にプラスになる人もいます。大切なのは、抜歯そのものではなく、抜歯スペースを使って前歯をどこまで後退させる計画なのかです。

Q. 矯正でほうれい線が深くなることはありますか?

A. 矯正後のほうれい線周辺の変化を報告した研究はありますが、矯正によって必ずほうれい線が深くなるとはいえません。年齢、顔の軟組織、体重変化、前歯の移動量など複数の要因が関係します。

Q. 矯正で頬がこけることはありますか?

A. 頬の印象が変わったと感じる人はいますが、原因が矯正だけとは限りません。矯正中の体重減少や自然な年齢変化も考えられます。顔貌が気になる場合は、治療前の正面写真と治療途中の写真を比較しながら担当医に相談するとよいでしょう。

Q. 30代・40代から矯正すると老けやすいですか?

A. 30代・40代だから老けるという明確な年齢基準はありません。ただし顔の軟組織は成人後も変化するため、成人矯正では歯並びだけでなく、唇や顔貌の変化まで考慮した治療計画がより重要になります。

Q. 非抜歯矯正なら顔は変わりませんか?

A. 非抜歯矯正でも前歯の角度や歯列の幅が変化すれば、口元の印象が変わる可能性があります。「非抜歯だから顔が変わらない」「抜歯だから老ける」と単純には分けられません。症例ごとの診断が必要です。

Q. Eラインに唇を入れた方がきれいになりますか?

A. Eラインは横顔を見る一つの基準ですが、すべての人がEラインの内側に唇を入れる必要はありません。鼻や顎の形、唇の厚さによって理想的なバランスは異なります。Eラインだけを治療目標にしないことが大切です。

Q. 矯正後の顔貌が心配な場合、治療前に何を聞けばよいですか?

A. 「前歯をどのくらい動かす予定か」「唇や横顔はどのように変わると予測するか」「なぜ抜歯または非抜歯を選ぶのか」を確認してください。顔貌変化を完全に予測することはできませんが、治療方針と想定される変化について説明を受けることはできます。




You矯正歯科 理事長・総院長 青山健一の紹介プロフィール

理事長・総院長 青山健一
1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック(港区)開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2006年 インビザライン認定医 取得
2011年 You矯正歯科を開設
2024年 You矯正歯科大阪医院、二子玉川医院開設

現在、東京大阪広島など全国に11医院開院中

矯正治療に携わってきた年数:35年

得意とする治療分野:非抜歯矯正、部分矯正

非抜歯矯正への考え方:歯を抜かない矯正は多くの不定愁訴の改善に効果的なのを長年実感しています

マウスピース・ワイヤー双方を扱う理由:患者さんの希望に寄り添いたいから



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