右脳vs左脳とか男性脳vs女性脳とか正論vs感情論など人間の受け止め方による違いを表現するワードがいくつかあります。
左脳は論理的思考で右脳は感情的思考だとか、男性は解決策を求めるが女性はただ聞いてくれるだけでいいとか、正論を言っても相手には響かない、人の心が動くのは感情の琴線に触れた時だけとか言われています。
論理的思考とは数学の証明問題みたいなものなので、どこに間違いがあってどこを改善すればいいのかの答えがあります。
論理的思考の「どっちが正しいか?」には答えがありますが、正しいから相手が納得するわけではありません。
相手を言い負かしたところで、相手から反感を持たれたり、人間関係を壊すきっかけにもなりかねません。
最終的に相手を論破することがゴールなのであれば正論を言い続ければいいかもしれませんが、最終的なゴールが相手に納得してもらうことなのであれば、正論を言い続けることが逆効果になってきます。
「泥棒にも三分の理」と言われるように、泥棒でさえその人なりの言い分があるぐらいですから、どんな立場の人にもその人なりの言い分があるものです。
そんな時に、感情的な問題に対して「正論」を持ち出されても、それだけでは納得できないことも多く、むしろ相手の気持ちを否定されているように感じさせてしまいます。
「正論だから」と相手に突きつけるのではなく、「相手に納得してもらいたい」という気持ちを持ち続けながら伝えることが大切になってきます。
「正論は人を傷つける」というのは、“正論そのもの”が相手を傷つけるのではなく、“正論をどう伝えるか”に問題の本質があると思います。
伝え方を工夫せず、ただ正しさだけを一方的に押し付ける形は、相手を心理的に圧迫しやすいものです。
一方で、誠実さと配慮をもって「本当に伝えるべきこと」を丁寧に伝えることは、人間関係を深める上でも重要であり、むしろ大切な行動だと感じます。
人間関係は煩わしさもありますが、人間関係からしか人は幸せを感じられない生き物なので、「正論は人を傷つける!」「大切なのは伝え方だ」ということを忘れないようにしたいものです。