格安矯正と矯正専門の医院は何が違う?費用差の理由と医院選び5つの視点

【監修:銀座青山You矯正歯科 紙屋町院院長】

「月々数千円から」「総額30万円で綺麗な歯並びに」。SNSや広告でこうした言葉を見ると、「それならいいかも」と思うのは自然なことです。同じ内容なら安いほうを選びたいのは、誰でも同じです。
ただ、YOU矯正歯科としては、矯正治療の費用の差は装置の材料費ではなく、「診断の質」と「医師の責任の重さ」の差だと考えています。

この記事では、格安矯正が安くできる理由と、費用の違いに含まれているもの、そして後悔しないための医院選びのポイントをお伝えします。

格安矯正と矯正専門の医院の違いは「装置」ではなく「診断」と「責任」

当院には、格安矯正を選んだ結果、噛み合わせが崩れてしまい、改めて大きな費用をかけてやり直しに来られる患者さんが後を絶ちません。

例えるなら、格安矯正と矯正を専門とする医院の治療は、「立ち食いそば」と「腕のいい職人が作るフルコース」ほど中身が違います。立ち食いそばが悪いわけではありません。早くて安くて、ありがたい存在です。ただ、一生付き合っていく自分の歯を、スピードと効率を重視した「流れ作業」的な治療に預けて本当に大丈夫なのか、ということです。

近年は、「実質無料」や「格安」をうたうマウスピース矯正をめぐって、数百人規模の患者さんが健康被害や金銭トラブルを理由に集団訴訟を起こすなど、社会問題にもなっています。

また、日本矯正歯科学会などの専門学会も、適切な検査・診断や経過観察を行わない格安のアライナー治療(マウスピース型の矯正装置による治療)や、医療機器として承認されていない装置による治療は危険だとして、注意を呼びかけています。学会がわざわざ声明を出すのは、それだけ現場で好ましくない事例が増えているということだと、私たちは受け止めています。

 

「格安矯正と矯正を専門とする医院の違いについて、動画でも詳しくお話ししています。あわせてご覧ください。」

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「装置が同じなら、どこでやっても同じ。それなら安いほうが得」と考える方は少なくありません。しかし、失敗の本当の原因は装置のブランドではありません。その裏側にある「診断の質」と「医師の責任の重さ」の違いが、結果を分けると当院では考えています。

なぜ格安矯正は安くできるのか

削られているのは「材料費」ではない

「同じマウスピース矯正なのに、なぜ片方は30万円で、もう片方は100万円近くもするの?」と疑問に思う方は多いと思います。
先に答えをお伝えすると、安さの理由は材料費ではありません。削られているのは「人件費」と「診断のプロセス」、そして「診療の質」です。

格安矯正の一部には、歯科医師がほとんど治療計画の中身に関わらないまま、型取りのデータだけを送り、AIが自動で作ったシミュレーション通りにマウスピースを作って、そのまま患者さんに渡すという仕組みのところがあります。極端にいえば、「歯型だけとって、あとは工場にお任せ」というイメージです。

AIのシミュレーションだけでは足りない理由

「AIが最適な歯並びを計算してくれるなら、それで十分では?」と思われるかもしれません。ここに大きな落とし穴があります。
まず大前提として、YOU矯正歯科としては、歯はAIの計画通りには動かないものだと考えています。

さらに、AIが見ているのは基本的に「歯の表面」、つまり見た目の部分です。奥歯の細かい噛み合わせや、歯ぐきの中に隠れている「歯根(しこん)」、あごの骨の厚みまでは、しっかり考慮できていないケースが多いのです。
歯は氷山と同じで、見えているのはほんの一部です。本体は、奥歯や歯ぐきの中にある歯根にあります。

特に奥歯の噛み合わせはとても繊細で、前から見ただけでは分かりません。当院の考えでは、マウスピース矯正で正しい噛み合わせを作っていくことは、大変難しいことです。

「既製品の服」と「オーダーメイドのスーツ」の違い

服にたとえると分かりやすいかもしれません。格安矯正は、いわば「S・M・Lの既製品」。矯正を専門とする医院の治療は、職人が体型に合わせて仕立てる「オーダーメイドのスーツ」です。
既製品が悪いわけではありません。普段着には十分です。でも、自分の骨格に合わない既製品を無理に着続けると、どこかで生地が破れてしまいます。それが歯で起きると、「噛み合わせが壊れる」ということになります。

矯正専門の医院の費用には何が含まれているのか

少し強い言い方になりますが、格安矯正を勧めている歯科医師自身が、自分の子どもや家族には受けさせない、というケースもあります。プロほど、格安矯正のリスクをよく知っているからです。
では、矯正を専門とする医院の費用は何にかかっているのでしょうか。それは、マウスピースというプラスチックそのものの値段ではありません。目に見えないところに、多くの手間がかかっています。

奥歯の噛み合わせづくりに時間と手間をかける

当院では、奥歯の正しい噛み合わせを作ることに、多くの時間と手間をかけています。

精密な検査と診断

CTや、セファロ(頭部X線規格写真)と呼ばれる頭のレントゲンを撮り、骨や噛み合わせを細かく分析します。歯を抜くべきか、抜かずに治せるかの正確な見極めも、この段階で行います。
当院の抜かない矯正については、こちらもご覧ください。

通院ごとの調整と、計画を立て直すリカバリー

通院のたびに装置の微調整を行い、計画通りに進まない場合は、リカバリーの計画を立て直します。
噛み合わせの調整は、ミリ単位どころか、ミクロン単位、髪の毛よりずっと細かい世界の話です。

見た目だけを整えた結果、起きていること

見た目だけはきれいに並んだものの、実は奥歯が浮いてしまい、「ご飯が噛めなくなった」「頭痛や肩こりが出てきた」と当院に駆け込んでこられる患者さんが、残念ながら後を絶ちません。
一生ものの噛み合わせを守るための責任と、何かあったときのリカバリー体制。矯正を専門とする医院の費用には、この「見えない安心」が含まれていると当院では考えています。

長い目で見た「トータルコスト」で考える

格安矯正からの再矯正は、結果的に一番高くつくことがある

格安矯正で30万円を払ったものの、うまくいかず、結局は専門の医院で100万円をかけてやり直す。いわゆる「再矯正」のケースが、当院への相談でも急増しています。
冷静に計算してみると、最初から専門の医院を選んでいれば100万円で済んだところ、格安矯正を経由すると30万円+100万円で合計130万円。しかも治療期間は、単純に倍近くかかります。

安さを求めた結果、一番お金と時間がかかる選択になってしまう。これは本当によくあるパターンです。
他院で治療中・治療後の方のご相談については、こちらをご覧ください。

「自分の歯」は買い替えのきかない資産

あまり知られていませんが、裁判での損害賠償の場面などでは、大人の歯1本の価値が120万円から300万円ほどと評価されることがあります。親知らずを除いた大人の歯は28本ありますから、単純計算でも大変な資産価値になります。

数万円から十数万円を節約するために、一生買い替えのきかない、数千万円クラスの資産である「自分の歯」をリスクにさらすのは、正直なところ割に合わない賭けだと当院では考えています。

きちんとした矯正は「デンタルIQ」も高める

YOU矯正歯科としては、きちんとした矯正治療を受けることで、歯の健康への意識、いわゆる「デンタルIQ」も自然と上がると考えています。毎日の歯みがきやケアの質が上がり、将来的なインプラントや虫歯の治療費まで、結果的に抑えられるというメリットもあります。

後悔しない矯正歯科選び 5つのチェックポイント

広告の言葉に惑わされないために、当院が考える具体的なチェックポイントを5つお伝えします。

1.部分矯正だけなど、偏った治療しかしていない医院は要注意

部分矯正だけしか行っていない医院では、噛み合わせに問題が起きたときに治療ができないため、噛み合わせがおかしいままで治療が終了になってしまいます。
部分矯正の適応については、こちらでもご紹介しています。

2.デメリットやリスク、治療の限界を説明してくれるか

メリットしか話さない医院は、かえって心配したほうがよいかもしれません。

3.治療費の総額がはっきりしているか

都度払いの場合、最終的にいくらかかるのかが分かりにくく、トラブルの原因になりやすいといえます。
当院の料金体系については、こちらをご覧ください。

4.マウスピース以外の選択肢も提示できるか

ワイヤー矯正など、マウスピース矯正以外の選択肢を提示できるかも大切です。マウスピースしか引き出しがない医院では、うまくいかなかったときのリカバリーができません。
それぞれの特徴については、こちらの記事もご覧ください。

5.その場で契約を急かしてこないか

「今日契約すれば○○円引きます」と、その場で契約を急がせる医院には注意してください。一生ものの治療を今日中に決めさせようとする時点で、一度立ち止まってほしいと思います。
この5つは、相談に行く際にスクリーンショットを撮っておくなどして、ぜひ確認してみてください。

YOU矯正歯科が大切にしている考え方

格安矯正と専門の医院、どちらを選ぶか迷ったときは、次の3つを思い出してください。

格安は「効率」重視、専門は「責任」重視

費用の差は材料費ではなく、あなたの噛み合わせを一生守るための「確認と修正の時間」にかかっています。

矯正は歯を「並べる」作業ではなく、歯の寿命を「守る」ための投資

矯正治療は、将来の歯の寿命を守るための投資だと当院では考えています。

安さだけで判断せず、リスクを包み隠さず話してくれる誠実な医師を選ぶ

無理な症例に対して「できません」とはっきり言えることこそ、医療人としての誠実さだと私は考えています。

矯正治療は、見た目を良くするための美容整形ではありません。この先もずっとおいしくご飯を食べ、健康に過ごすための大切な医療であり、自己投資です。

10万円、20万円の差を惜しんで、一生使う天然の歯をリスクにさらすことは、長い目で見ると一番「損な選択」になりかねません。矯正治療を、ご自身やお子さんへの最高のプレゼントにしていただきたいと思っています。

よくある質問

Q.同じマウスピース矯正なのに、なぜ費用が大きく違うのですか?

A.YOU矯正歯科としては、費用差の理由は材料費ではなく、人件費や診断のプロセス、診療の質にあると考えています。矯正を専門とする医院では、CTやセファロによる検査・分析、奥歯の噛み合わせづくり、通院ごとの調整や計画の立て直しといった、目に見えない手間に費用がかかっています。

Q.AIのシミュレーションがあれば、治療計画は十分ではないのですか?

A.当院では、歯はAIの計画通りには動かないことを前提に考えています。また、AIが主に見ているのは歯の表面で、奥歯の細かい噛み合わせや歯根、あごの骨の厚みまでは十分に考慮できていないケースが多いため、AIのシミュレーションだけでは足りないと考えています。

Q.格安矯正がうまくいかなかった場合、やり直しにはどのくらいかかりますか?

A.たとえば格安矯正に30万円を払い、専門の医院で100万円をかけて再矯正した場合、合計は130万円になり、治療期間も単純に倍近くかかります。当院では、こうした再矯正の相談が増えています。

Q.矯正歯科を選ぶとき、何を確認すればよいですか?

A.当院がお勧めしているのは、①部分矯正だけなど偏った治療をしていないか、②デメリットやリスク、限界を説明してくれるか、③治療費の総額がはっきりしているか、④ワイヤー矯正など他の選択肢も提示できるか、⑤その場で契約を急かしてこないか、の5つです。

この記事の要点

  • 費用の差は装置の材料費ではなく、「診断の質」と「医師の責任」の差だと当院では考えています。
  • 格安矯正の一部では、AIのシミュレーション任せになりやすく、奥歯の噛み合わせや歯根、骨の状態まで考慮しきれないことがあります。
  • 格安矯正から再矯正になると、費用も期間も結果的に一番かかる選択になりかねません。
  • 医院選びでは、治療の幅、リスクの説明、総額の明示、他の選択肢、契約を急かさないことの5点を確認してください。
  • 矯正治療は見た目のためだけでなく、歯の寿命を守るための医療であり、自己投資です。

ご予約・ご相談について

YOU矯正歯科では、患者さん一人ひとりの骨格や噛み合わせを精密に検査したうえで、メリットもデメリットもすべてお伝えするカウンセリングを行っています。抜かない矯正を専門に全国11医院を運営しており、無料相談のほか、遠方の方にはオンラインでの矯正相談も受け付けています。

「自分の歯並びはマウスピースで治るのか」「話だけでも聞いてみたい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。強引な勧誘は一切行っておりませんので、ご安心ください。

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