1. 同級生の「60歳での引退」と、人と比較してしまう心理
昨日、大学時代の同期5人で集まり、60歳という節目で歯科医師を辞めた同級生のお祝いと近況報告の飲み会を行いました。
元気なうちに引退を決断する姿を見て「羨ましい」「自分なら何をするだろう」といった様々な感情が湧くと同時に、それぞれの近況を聞く中で、人間はどうしても他人の生活や人生と自分を比較してしまうものだと改めて感じました。
現代では若いスタッフや自分の子どもたちもSNS(Instagramなど)のキラキラした投稿を目にしますが、「自分と比べて落ち込んでしまうから見ないようにしている」というスタッフもいます。 自分より輝いて見える人を見て落ち込んだり、大変そうな人を見て安心したりと、人は誰かと比較しながら生きているのが現実です。
2. 「キラキラして見える人」も、見えない悩みや苦労を抱えている
しかし、ドキュメンタリー番組(『72時間』や『家、ついて行っていいですか』など)を見ても分かるように、どんな人にもその人にしか分からない人生や苦労が存在します。
当クリニックも周囲からは「たくさん分院があって恵まれている」と言われますが、私自身が抱える日々の大変さや悩みは他人に言っても伝わりきらないものです。
大谷翔平選手や目黒蓮さんのように一見順調で完璧に見える人たちであっても、本人にしか分からない深い悩みや葛藤を抱えています。
若い頃は「頭が良い」「お金がある」「格好いい」といった分かりやすい部分だけを見て羨ましがりがちですが、年齢を重ねると「格好いい人には格好いい人の悩みがあり、どんな人にもそれぞれの苦労がある」ということが分かってきます。
一人で開業して楽しそうにFacebookなどを更新している同級生を羨ましく思うこともありますが、結局はお互いに「ないものねだり」をしているに過ぎません。
3. 仲間が頑張る姿がくれる「良い刺激」と「良い影響」
一方で、日々の診療の中で仲間が頑張る姿は、私達に非常に良い刺激を与えてくれます。
新宿の店舗で、松尾さんが佐々木さんの矯正相談に向けた前向きな姿勢について「何かに尻込みしている人より、向上心がある人には教えたくなるし、みんなも手助けしたくなると思うので、周りの士気も上がると思うので、こちらも学ばせてもらえたなと思います。」と気づきに書いてくれ、大高先生も「刺激をありがとう」と感謝を伝えていました。
新しい仲間が入ったり、誰かが一生懸命に挑戦する姿を見ると、マンネリ化しがちな自分の心にもカツが入り、良い影響を受けることができます。
人から影響を受けるのが人間であるなら、私達自身も周りに悪い影響ではなく「良い影響」を与えられる存在や生き方をしていきたいものです。
4. 「自分は間違っていなかった」――辞める時に同級生が気づいた感謝
今回60歳で引退する同級生が、最後にこんな話をしてくれました。
「いざ辞めるとなった時、患者さんたちが何人も泣いて引き留めてくれた。こんなに悲しんでもらえるなら、自分は歯科医師に向いていたのかもしれたのかもしれない。今まで頑張ってきて本当に良かった、自分のやってきたことは間違っていなかったと、辞める時になって初めて気づいた」と語っていたのが深く記憶に残っています。
自分がやってきたことの価値や周囲からの評価は、日々の忙しさの中ではなかなか実感しにくいものです。
しかし、私のようにすぐ引退するわけにはいかない立場であっても、自分の行いが誰かに届いていることを信じて診療を続けていくしかありません。
5. まとめ:他人ではなく「過去の自分」と比較して進んでいく
他人と自分を比較して一喜一憂していると、心が揺らぎやすくなってしまいます。
ブレずに自分らしく歩んでいくためには、他人と比較するのではなく、「過去の自分」と比較してどれだけ成長できたかを見つめ直すことが大切です。
SNSなどを通じて他人と自分を比較しがちな若い皆さんだからこそ、他人に心を振り回されすぎず、お互いに良い刺激を与え合いながら、過去の自分を超えて前へ進んでいきましょう。

