誰からも「いい人」と思われたくて、気づけば気疲れしてしまう……そんな悩みを抱えていませんか?
若い頃は「いい人だね」と言われると、「自分には特別な魅力や個性がないのかな!?」と少し寂しく受け止めてしまった経験があります。
しかし、年齢を重ねて仕事を始めると、「いい人だから安心できる」「信頼できそう」と思われることが、大きな強みや安心感につながると気づく場面が増えてきます。
けれど、もしあなたが「いつもいい人でいなきゃ」と自分を追い詰めているなら、少し肩の力を抜いてみてください。
そもそも世の中は「根っからのいい人」と「絶対的な悪い人」の二種類にきれいに分かれているわけではありません。
タレントの笑福亭鶴瓶さんも「いい人を演じている方が仕事もしやすく楽だから演じているだけで、決して根っからのいい人ではない」と語っていたように、人は社会の中で自分をコントロールしながら生きているのです。人間には理性があり、相手や状況に応じて対応を変えるのがごく自然な姿でもあります。
「いい人」を演じることは人間関係を円滑にする知恵ですが、それを24時間365日続けようとすれば、誰だって心がパンクしてしまいます。家や家族の前で素の自分が出て少し勝手になってしまうのは、生きていくうえで当然の安全弁なのです。
また、すべての場面で「いい人」であることが正解とは限りません。
たとえば、歯医者さんで治療説明を受けるとき、先生が遠慮がちに「いい人」でいるよりも、心の中ではドキドキしていても自信満々で堂々としていてくれる方が患者さんは安心しますよね。
プロの歌手やプロレスラーがステージやリングの上で圧倒的な自信や悪役を演じきり、「いい人」な一面はプライベートで大切にするように、仕事の現場で求められているのは「遠慮がちな好人物」ではなく「頼もしさ」であることも多いのです。
さらに、職場での立場が変わると、言いたくない厳しいことも「役割」として言わなければならない場面も出てきます。
そんなとき、「嫌われたくないいい人」のままでいようとすると苦しくなりますが、「今の自分の役割(ポジション)として伝える」と意識を変えるだけで、踏み出す勇気が湧いてきます。反対に、新人であれば「素直に教わる役」を演じることが、周囲との関係をスムーズにします。
ありのままの自分をすべて理解してもらい評価してもらうのは、決して簡単なことではありません。
だからこそ、場面ごとに「今の私に求められている役割は何か」を意識して演じ分けることが、自分自身の心を守り、周囲にも安心を届ける賢い選択になります。
次に「いい人でいなきゃ」と苦しくなったときは、思い出してください。
24時間いい人を演じ続ける必要はありません。
場面に合わせてしなやかに「役割」を着替え、プライベートでは大切な素の自分をゆっくり休ませてあげましょう。
☆「自信満々に見せる」ためのコツ
①心の中でドキドキしていても「役割」として演じきる
実際の内面でどれだけ緊張してドキドキしていても関係ありません。患者さんや相手は「自信なさそうな姿」ではなく「堂々とした姿」を求めているため、その場面に応じた「役」になりきって演じることが大切です。
②「自分が一番輝いている」と思い込む
プロの歌手やプロレスラーのように、「自分の歌より良い歌を歌う人間はいない」「自分が一番強く、輝いている」と心の中で思いながら臨むことが意識のコツです。
③相手が求めている「堂々とした姿勢」を意識する
デビュー直後の歌手のように恥ずかしそうに振る舞うよりも、聞き手やファンは堂々とした姿を期待しています。どう演じるかによって、相手の感じ方や安心感が大きく変わります。堂々と演じるのは利己ではなく利他なのです。
④シチュエーションに合わせてスイッチを入れる
「ありのままの自分」をそのまま評価してもらおうとするのではなく、その場や立場(シチュエーション)で「どう演じれば一番輝き、評価されるか」を意識して切り替えることがポイントです。
プライベートで素の自分を出したり「いい人」でいるのは構いませんが、仕事や本番の場面では「自信満々な役」を意識して演じきることが、相手に安心感を届ける一番の近道になります。全ては相手のためなのです。