心の羅針盤

感情に流されず「学び」に変える力

日々、仕事を通じていろんな出来事から、自分の心の動きや葛藤について深く考察しています。
私たちの日常は、予測できない出来事と、それに対する「感情」と「理性」の反応の連続です。
特に、予期せぬトラブルに直面したとき、どのように心を整理し、次の一歩へ活かすことができるのか。今回は、身近な出来事を題材に、心の平穏を保ち、成長するためのヒントをお話しさせていただきます。。

「自分事」になった瞬間に沸き上がる感情の正体

先日、修理したばかりのエアコンが、わずか1ヶ月も経たずに再び故障しました。もちろん、人間が修理したものですから、また壊れることは「しょうがない」と、理性的に考えることもできます。
しかし、ここに「お金」が絡んでくると、話は一変します。(笑)
修理のために出張費がかかると知った瞬間、「それは誰が払うべきなのか?」「筋が通っているのか?」と、感情にスイッチが入って、心がざわつき始めます。

この現象は、「自分事」と「他人事」の境界線が、私たちの感情に大きく影響していることを示しています。
例えば、職場の備品が壊れた際、金銭的な問題が絡まなければ「まあ、仕方がない」と許容範囲だと捉えられるかもしれません。
しかし、それが自分自身の財布に関わることになったり、職場の誰かが嫌な思いをするような状況(自分事)になると、その人にとっては「何とかしてほしい」「早く直してほしい」と、感情にスイッチが入り、必死になるのは自然なことです。

感情に支配されないための「理性の羅針盤」

私たちが人生を歩む上で、感情と理性のバランスを取りながら生きています。
理性の割合がある程度上回っていれば、極端な感情的な言動には走りにくいものです。
しかし、ひとたび感情の割合が逆転すると、私たちは感情的になりすぎたり、悪い方向に進んだり、冷静な判断ができなくなったりする危険性があります。

自分の仕事に置き換えて考えてみましょう。
もし、自分のミス(自分に非があること)で患者さんに負担をかけている場合、次回の費用を負担すべきか否か、という議論が生まれることがあります。

専門家として最善の判断を下したとしても、結果が伴わなければ、信頼は揺らいでしまいます。
例えば、歯の治療において、患者様から「なるべく歯を削りたくない」という希望のもと、非常に薄い詰め物(インレー)を作ったとします。

患者さんから「歯はなるべく削りたくない」と希望されたうえでの治療だとしても、その詰め物が1週間で外れてしまう事態になれば、患者は当然ながら不満や怒りを抱きます。
ドクター側が「歯を削らなければ外れやすいと言いましたよね」と主張しても、患者側は「1週間で外れるレベルは想定外」と感じるものです。

専門家として、メリットとデメリットを伝え、患者が選んだとしても、結果が悪ければ「あの時の選択は正しかったのか」と内省せざるを得ません。
若手時代に教えられた「最低でも3~5年持てば、ある程度責任を果たせる目安」という教訓からもわかるように、私たちは常に、技術的な判断と、結果に対する責任の重さに直面しています。

大切なのは、専門家としてプロの視点から「もうそろそろ危ないですよ」「持ちませんよ」と誠実に伝えることです。素人である患者様たちは、プロの言うことを信じるしかありませんのでプロとしての責任があります。

目の前の出来事を「次への学び」に変える力

私たちがトラブルに直面した際、感情に支配されて後悔することもあります。しかし、目の前で起こるすべての出来事は、私たちにとって「学びの機会」だと捉えることができます。

感情的に対応するのではなく、なるべく理性的に話し合うこと、そして、その出来事を通して何を反省し、次にどう生かすのか。
失敗から学ぶ(反省して次へ生かす)のか、成功体験として次へ生かすのか。どの出来事も、私たち自身の成長のためにあると受け止めることが重要です。

金銭が絡むトラブルであれ、対人関係の悩み(コンプレックスや家族の事をどこまで話すべきかなど)であれ、私たちは日々、他者や出来事から学びを得ています。
人生の様々な事象に対して、感情に流されずに理性を働かせ、「今後に生かす」という謙虚な姿勢で受け止めることこそが、私たちが心の平穏を保ち、より良い未来を築くための、最も強力な「心の羅針盤」となるではないでしょうか。

 

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