銀メダリストより、銅メダリストの方が幸せ?!

1.銀メダリストより、銅メダリストの方が幸せ?

今オリンピック開催されています。
一般的に見れば、銀メダルは2位、銅メダルは3位ですから、銀メダルの方が価値が高いと感じます。
しかし、心理学的な満足度を調査すると、興味深いことに「銀メダリストよりも、銅メダリストの方が幸福度が高い」という傾向があるのです。

なぜでしょうか?
その理由は「比較の対象が何なのか?」にあります。
銀メダリストは「あと一歩で金メダルが獲れたのに」と、「取れなかった最高の結果(金メダル)」と自分を比較して悔しさを感じます。

一方で、銅メダリストは「一歩間違えば4位や5位で、メダルすら獲れなかったかもしれない」と、「メダルを逃した自分」と比較するため、「獲れてよかった!」という喜びが勝るのです。
この現象は、私たちの日常にも溢れています。
幸せを感じるかどうかは、絶対的な結果ではなく、「何と比べているか」によって決まるのです。

2.豊かさが不満を生む「ブータンのパラドックス」

かつて「世界一幸せな国」と呼ばれたブータン。
しかし、インターネットやSNSが普及し、他国の華やかな生活を知るようになると、人々の幸福度は低下したと言われています。

ブータン自体の生活水準が下がったわけではありません。
自分たちの生活を「世界」と比較し始めたことで、「自分たちは貧しいのではないか!?」という不満が生まれたのです。

かつての東西ドイツ統合の際も同様でした。
東ドイツの人々は当初、統合によって生活が良くなることを喜びましたが、時間が経つにつれ、豊かな西ドイツの人々と比較するようになり、不満が噴出した時期がありました。

私たちの心は、比較対象が「身近で高いレベル」になった瞬間、それまでの満足を失ってしまうという非常に脆い性質を持っています。

3.給与と「5,000円の昇給」の心理学

職場での満足度も、この「比較」に支配されています。
例えば、自分の給料が5,000円上がったとしましょう。本来なら「やった!」と喜ぶべき出来事です。
しかし、同期のAさんが6,000円上がったと知れば、途端に「自分は1,000円も少ない、正当に評価されていない」という不満に変わります。

逆に、同期が4,000円だったと知れば、同じ5,000円でも「自分はラッキーだ」と感じるでしょう。
昇給した「5,000円」という金額自体に意味があるのではなく、「周囲との差」という比較に一喜一憂しているに過ぎないのです。

これは夫婦関係でも同じです。
「隣の家の旦那さんは家事をしてくれるのに」「他の奥さんはあんなに優しいのに」と、他人の家庭の「良い部分」と自分の家庭を比較し始めると、不幸の種は尽きません。

4.「不幸中の幸い」を見つける視点の力

一方で、この比較の力をポジティブに使うこともできます。
88歳の私の父が、青信号で横断歩道を渡っている時に車に跳ねられ、骨折をしました。
父自身は「青信号で渡っていたのに、なぜこんな目に遭うんだ」と不満を漏らしていました。

しかし、周りの家族は違いました。「頭を打たなくてよかった」「寝たきりや命に関わる事態にならず、骨折程度で済んで本当に良かった」と考えたのです。
「起きてしまった最悪の事態」と比較するか、「もっと悪くなったかもしれない可能性」と比較するか。

事実は一つ(事故と骨折)ですが、解釈の仕方一つで「ついてない」と思うか「ラッキーだった」と思うかがこれほどまでに分かれるのです。

5.幸せを感じるための「妥当な比較対象」

私たちは無意識のうちに比較対象を選んでいますが、その対象が「高すぎる」あるいは「不適切」であると、心は常に枯渇し、不満が溜まっていきます。
経営者であれスタッフであれ、あるいは家庭を守る方であれ、今の自分が感じている不満や不幸が「何との比較から生まれているのか」を一度客観的に見つめ直すことが大切です。

・「今感じている不満の比較対象は、本当に妥当だろうか?」
・「上ばかり見て、自分が持っている感謝すべきものを見落としていないだろうか?」

幸せとは、どこか遠くにある目的地に到達して「なる」ものではなく、今ここにある状況の中から「気づく」ものです。

おわりに:比較のレンズを拭き直そう

人間である以上、他人と比較してしまうのは自然なことです。
もっと頑張りたい、向上したいという意欲の裏返しでもあります。しかし、その比較によって自分を追い詰め、心を壊してしまっては本末転倒です。

もし、今あなたが「自分ばかりが損をしている」「不幸だ」と感じているなら、少しだけ視点をずらしてみてください。
「もっとひどい状況にならなかったこと」への感謝や、今の自分だけが持っている小さな「当たり前」に目を向けるだけで、心はすっと軽くなるはずです。

比較対象を少し変える。それだけで、あなたの世界の色は今日から変わります。

 

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