勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし

プロ野球の元監督の故野村克也氏がよく言っていた「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」という言葉があります。
歯科医院を経営していて、この言葉を思い出すことが多々あります。
今のうちのクリニックは、歯科医院の世界では順調な方だと思います。
特にスタッフのレベルは高い方だと思っています。
友人などから、「どうすればそういう良いスタッフが育つのか?」「どういう教育をしているのか?!」などの質問を受けることがあります。
そういう質問を受けるたびに「なぜうまくいっているのだろうか??」と自問自答しながら、うまくいっている原因を考えることがありますが、はっきり言って、なぜうまくいっているのかを特定することが難しいです。
「上の立場の人がしっかりしているから」「いい人が採用できているから」「コミュニケーションが取れているから」etc
いくつかの理由は思いついても、それらは後付けの理由のような気がします。
結局は「いろんな要素が絡み合って、たまたまうまくいっている」としか答えようがないです。

例えば、オリンピック選手やプロスポーツ選手や芸能人などの成功している選手の親に「どうやって育てれば〇×選手のような子供になりますか?」と聞かれてもその答えを断言することは難しいように思います。
同じように育てたのに、兄弟で全く違った結果になることもあります。

一方、経営がうまくいかなかったり、スタッフレベルが低い場合に「なんでこんな歯科医院になってしまったのか?」と聞かれれば、心当たりのあることがいくつも思い出せます。
そういった問題点を見過ごしていたために、好ましくない現実が起きているのだと反省することができます。

物事がうまくいっていないときには、否が応でも「謙虚で必死」になります。
しかし、物事がうまく回っているときは、往々にしていい気になって反省しなくなります。
うまくいっていないときは「自己責任」うまくいっている時は「おかげ様」で周りの人や見えない力に感謝していく姿勢が大切かと思います。

人は物事がうまくいっている時に「自信」が付き、うまくいっていないときに「実力」が付くのだと思いますが、往々にして「自信」が「過信」になってしまうのが人間の性のような気がします。
物事がうまく回っている時にこそ、その人の価値が試されているような気がします。

 

 

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